懐かしいのに、どこか切ない。
そんなノスタルジックな感情を呼び起こす映画の舞台、広島県・尾道。
瀬戸内海に面したこの坂の街は、数々の名作映画のロケ地として知られています。
特に、1983年に公開された原田知世さん主演の映画『時をかける少女』。
あの映画で描かれた印象的な風景、特に「時をかける少女」の尾道の「踏切」は、今も多くのファンの心に焼き付いているのではないでしょうか。
「映画のあの踏切に行ってみたい!」
「尾道観光のついでに聖地巡礼がしたい」
そう思って情報を探している方も多いはずです。
しかし、いざ調べてみると「アニメ版の聖地と違うの?」「『転校生』の階段とどっちがどっち?」と、情報が入り混じって混乱してしまうことも。
この記事では、そんな疑問をすべて解消します。
実写版『時をかける少女』の踏切の正確な場所から、同じく尾道を舞台にした名作『転校生』の有名なロケ地(あの階段です!)、さらにはアニメ版『時をかける少女』の聖地との違いまで、尾道観光に役立つ情報を網羅して徹底的に解説します。
この記事を読めば、あなたも尾道の街角で、映画の主人公たちが出会ったあの瞬間にタイムリープできるはずです。
この記事でわかる4つのポイント
- 実写映画『時をかける少女』の尾道にある「あの踏切」の具体的な場所
- 映画『転校生』で有名な「二人が転げ落ちる階段」のロケ地
- アニメ版『時をかける少女』の聖地は尾道ではない?その違い
- 尾道観光で巡るべき!映画ロケ地聖地巡礼のおすすめコース
映画『時をかける少女』尾道の踏切と聖地巡礼
1983年に公開された大林宣彦監督、原田知世さん主演の『時をかける少女』。
この作品のロケ地として、尾道の風景はあまりにも有名です。
まずは、多くの人が一番知りたい「あの踏切」の場所から、詳しく見ていきましょう。
尾道にある?『時をかける少女』の有名な踏切はここ!
結論からお伝えします。
映画『時をかける少女』で、主人公・芳山和子(原田知世さん)がタイムリープするきっかけとなる印象的なシーンで登場する踏切は、尾道市にある「艮神社(うしとらじんじゃ)」のすぐ裏手にある踏切です。
JR山陽本線の線路がすぐそばを通っており、映画公開から40年以上経った今でも、ほぼ当時のままの姿で残されています。
【アクセス方法】
- JR「尾道駅」から東へ徒歩約15分。
- 千光寺ロープウェイの山麓駅のすぐ東側に位置しています。
- Google マップなどで「艮神社」を目指して行くと、そのすぐ裏(北側)に踏切があります。
この踏切は、映画の中で非常に重要な役割を果たします。
土曜日の朝、和子が深町くん(高柳良一さん)とすれ違う、あの運命的なシーン。
「あ!」と和子が声を上げ、時間が止まるかのような演出がされる、まさに物語が大きく動き出す場所です。
実際に訪れてみると、本当に小さな、何の変哲もない踏切です。
ですが、その踏切の向こうに尾道の坂の街と、かすかに見える線路のきらめきが、映画で見た風景そのもの。
あの頃の原田知世さんの瑞々しい姿と、切ないメロディが脳裏に蘇ってきて、胸が熱くなりますよね。
ここが、和子が「時をかけた」場所なんだと思うと、ただの踏切がとても特別な場所に見えてきます。


『時をかける少女』のロケ地にある神社はどこですか?

踏切のシーンだけでなく、この神社自体も『時をかける少女』の非常に重要なロケ地となっています。
和子がラベンダーの香りをかいで気を失い、タイムリープした先(「昨日の」土曜日)で目覚めるのが、この艮神社の境内です。
つまり、この神社は和子にとって「時を超える」ための基点となる場所なのです。
艮神社は、平安時代初期の806年に創建されたと伝えられる、尾道で最も古い神社の一つと言われています。
境内には、樹齢900年とも言われる巨大な楠(くすのき)がそびえ立っており、広島県の天然記念物にも指定されています。
この大きな楠は、映画の中でも和子が見上げるシーンで印象的に使われています。
まるで時を超えてきた和子を、ずっと昔から見守っていたかのような存在感があります。
踏切とセットで、ぜひこの艮神社も訪れてみてください。
神社の持つ厳かな空気と、映画の不思議な世界観がリンクして、より深く物語に没入できるはずです。
アニメ版『時をかける少女』の聖地は尾道じゃない?

「時をかける少女」と聞くと、2006年に公開された細田守監督のアニメーション映画を思い浮かべる人も多いでしょう。
ここで一つの疑問が生まれます。
「アニメ版の『時をかける少女』の聖地も尾道なの?」
この答えは、「いいえ、違います」です。
アニメ版『時をかける少女』の主な舞台(聖地)となっているのは、東京の「中野区」や「新宿区」です。
特に、主人公の紺野真琴がタイムリープの力を手に入れるきっかけとなる「踏切」のモデルは、西武新宿線の「中井駅」周辺の踏切とされています。
また、真琴たちが放課後によく野球をしている河川敷は、中井駅の近くを流れる「妙正寺川」の河川敷がモデルです。
他にも、真琴が叔母(芳山和子)と話すシーンで登場する博物館は、上野の「東京国立博物館」の本館がモデルになっています。
では、なぜ「時をかける少女=尾道」のイメージが強いのでしょうか。
それはやはり、1983年の実写映画版のインパクトがあまりにも強かったためです。
大林宣彦監督が描いた尾道のノスタルジックな風景が、「時をかける少女」という物語の原風景として、多くの人の心に刻み込まれているからでしょう。
アニメ版では、叔母として登場する「芳山和子」が、実写版の主人公(あるいは原作の主人公)と同一人物であることを示唆しており、物語のつながりを感じさせます。
【実写版(1983年)とアニメ版(2006年)の聖地の違い】
| 比較項目 | 実写映画版(1983年) | アニメ映画版(2006年) |
|---|---|---|
| 主な舞台 | 広島県 尾道市 | 東京都 中野区・新宿区 |
| 印象的な踏切 | 艮神社(うしとらじんじゃ)裏の踏切 | 西武新宿線 中井駅周辺の踏切 |
| 主人公 | 芳山 和子(原田知世) | 紺野 真琴(CV:仲里依紗) |
| 監督 | 大林 宣彦 | 細田 守 |
このように、二つの作品は舞台が全く異なります。
尾道で聖地巡礼をする際は、1983年の「実写版」のロケ地を巡ることになる、と覚えておきましょう。
尾道には他にも『時をかける少女』のロケ地がある?
踏切と艮神社以外にも、尾道市内には『時をかける少女』の世界を感じられる場所が点在しています。
- 土堂小学校(つちどうしょうがっこう)
和子たちが通う高校のロケ地として使われました。
印象的な木造校舎が特徴です。
(※学校施設のため、見学の際はマナーを守り、外観から静かに見学しましょう) - 当時の尾道駅
映画に登場する尾道駅は、2019年にリニューアルされる前の古い駅舎です。
現在は新しい駅舎になっていますが、駅周辺の雰囲気には当時の面影も残っています。 - 尾道本通り商店街
和子や深町くんが自転車で駆け抜けた商店街。
レトロな雰囲気が今も残る、尾道観光のメインストリートの一つです。
これらの場所を巡ることで、より深く映画の世界に浸ることができます。
尾道観光と『転校生』ロケ地巡り【時をかける少女 尾道 踏切との違い】
『時をかける少女』の踏切について調べていると、必ずと言っていいほど一緒に出てくるキーワードが『転校生』です。
「あの有名な階段は『時かけ』だっけ?『転校生』だっけ?」
この二つの作品は、尾道ロケ地の二大巨頭であり、混同されやすいポイントでもあります。
ここでは、尾道観光のハイライトでもある『転校生』のロケ地について、詳しく解説します。
尾道をモデルにした映画といえば?大林宣彦監督「尾道三部作」
大林監督は尾道市出身であり、故郷・尾道を舞台にノスタルジックで幻想的な作品を数多く撮影しました。
その中でも、特に『転校生』(1982年)、『時をかける少女』(1983年)、『さびしんぼう』(1985年)の3作品は、「尾道三部作」と呼ばれ、今なおカルト的な人気を誇っています。
これらの作品によって、「坂と路地と文学の街・尾道」のイメージが全国に広まり、尾道は「映画の街」として一躍有名になりました。
『転校生』で有名なあの階段のロケ地はどこ?
『時をかける少女』の「踏切」と並んで、尾道三部作を象徴する場所。
それが『転校生』の「階段」です。
主人公の斉藤一夫(尾美としのりさん)と斉藤一美(小林聡美さん)の心と体が入れ替わってしまう、あの有名なシーンで使われた階段です。
この階段のロケ地は、「御袖天満宮(みそでてんまんぐう)」の石段です。
【アクセス方法】
- 場所は、『時をかける少女』のロケ地「艮神社」のすぐ東隣です。
- JR「尾道駅」から徒歩約15分。
『時をかける少女』の踏切と『転校生』の階段は、実は徒歩1分もかからない「お隣さん」なのです。
だからこそ、多くの人が混同してしまいやすいんですね。
この御袖天満宮の石段は、55段(※諸説あり)あり、実際に見るとかなりの急勾配です。
映画では、入れ替わった二人がこの石段をゴロゴロと転げ落ちていきます。
僕も実際にこの階段を訪れましたが、「ここを転げ落ちたのか…!」と、映画のシーンの迫力と、役者さんの体当たりの演技に改めて感動しました。
階段の上から見下ろす尾道の街並みも絶景ですよ。
答え:『転校生』で階段が落ちたシーンの場所です
大林監督は、この「高低差」のある尾道の地形を巧みに利用し、男女が入れ替わるという非日常的な出来事を、強烈なビジュアルで観客に焼き付けました。
この階段シーンは、日本映画史に残る名シーンの一つと言えるでしょう。



尾道には他にも有名な踏切がある?
しかし、尾道は坂の街であると同時に、JR山陽本線が街のすぐそばを横切っているため、生活に密着した小さな踏切が数多く存在します。
- 『時をかける少女』で和子が自転車で渡る別の踏切
- 映画『ふたり』(大林監督作品)で登場する踏切
- テレビCMや他のドラマなどで使われた、絵になる踏切
など、名前は付いていなくても、尾道のノスタルジックな風景を構成する要素として、多くの魅力的な踏切が存在します。
路地裏を散策しながら、自分だけのお気に入りの踏切風景を見つけるのも、尾道観光の醍醐味かもしれません。
聖地巡礼におすすめ!『転校生』ロケ地マップの入手方法
『時をかける少女』や『転校生』をはじめ、尾道三部作のロケ地を効率よく巡りたい場合、ロケ地マップがあると非常に便利です。
これらのマップは、以下の場所で入手できることが多いです。
- JR尾道駅構内の「尾道市観光案内所」
- おのみち映画資料館
- 尾道市内の観光施設 など
「尾道ロケ地マップ」や「尾道イーハトーヴ(大林監督が尾道を呼んだ愛称)関連マップ」といった名称で配布されていることがあります。
また、Web上にもファンの方が作成した聖地巡礼マップや、観光協会が提供するデジタルマップなどが公開されている場合があります。
「尾道 ロケ地 マップ」「転校生 ロケ地 マップ」などで検索してみるのも良いでしょう。
千光寺ロープウェイからロケ地を一望
尾道観光の定番中の定番といえば、「千光寺ロープウェイ」です。
このロープウェイは、聖地巡礼においても非常に重要な役割を果たします。
なぜなら、ロープウェイの山麓駅が、これまで紹介してきた「艮神社」(時かけ踏切)と「御袖天満宮」(転校生階段)のすぐそばにあるからです。
ロープウェイで山頂の千光寺公園に向かう約3分間、眼下には尾道の街並みと尾道水道の絶景が広がります。
その景色の中には、先ほど訪れた艮神社や御袖天満宮、土堂小学校など、映画のロケ地となった場所を文字通り一望することができます。
「あそこが、和子が時をかけた踏切で、あっちが二人が転げ落ちた階段だ…」
そんな風に、映画の世界を空から眺めるような、特別な体験ができます。
山頂の千光寺公園や展望台からの眺めも圧巻ですので、聖地巡礼と尾道観光を兼ねて、ぜひ利用してみてください。
尾道観光の聖地巡礼モデルコース提案
これまでの情報を元に、尾道三部作の聖地を巡る半日~1日のモデルコースをご提案します。
【尾道駅スタート!王道ロケ地巡りコース(所要時間:約3~4時間)】
- JR尾道駅 スタート
まずは駅前の観光案内所でロケ地マップをゲット。 - 尾道本通り商店街
レトロな商店街を東へ散策。
『時かけ』で和子が自転車で走った雰囲気を味わいます。 - 艮神社(うしとらじんじゃ)
『時をかける少女』の聖地。
まずは境内をお参りし、和子がタイムリープした場所に立ちます。 - 艮神社裏の踏切
いよいよメインの「時かけ踏切」へ。
映画のシーンに思いを馳せます。
(※現役の線路ですので、列車の往来には十分注意してください) - 御袖天満宮(みそでてんまんぐう)
艮神社のすぐ隣。
『転校生』の「階段」へ。
実際に登って、あの急勾配を体感! - 千光寺ロープウェイ(山麓駅)
御袖天満宮のすぐそばからロープウェイに乗車。
眼下に広がる尾道のロケ地を一望します。 - 千光寺公園・展望台
山頂からの絶景を堪能。
『さびしんぼう』のロケ地にもなった場所です。 - 文学のこみち・坂道を下る
帰りはロープウェイを使わず、尾道らしい坂道や路地を歩いて下るのがおすすめ。
「文学のこみち」などを通りながら、坂の街の雰囲気を満喫します。 - 尾道水道沿いを散策
山を下りたら、海沿いを歩いて尾道駅方面へ。
対岸の向島(むかいしま)へ渡るフェリーを眺めるのも風情があります。
このコースなら、尾道観光のハイライトと、尾道三部作の主要な聖地を効率よく巡ることができますよ。
まとめ:『時をかける少女』尾道の踏切と聖地巡礼のポイント
この記事で解説した「時をかける少女 尾道 踏切」と、関連する聖地巡礼のポイントを最後にまとめます。
- 1983年の実写映画『時をかける少女』の踏切は、尾道の「艮神社(うしとらじんじゃ)」裏手に実在します。
- 踏切のすぐそばにある「艮神社」も、和子がタイムリープした重要なロケ地です。
- 2006年のアニメ版『時をかける少女』の聖地は、主に東京の「中井駅」周辺であり、尾道ではありません。
- 映画『転校生』で二人が転げ落ちる有名な階段は、「御袖天満宮(みそでてんまんぐう)」の石段です。
- 『時かけ』の踏切と『転校生』の階段は非常に近い場所にあるため、聖地巡礼で一緒に巡るのがおすすめです。
- 「千光寺ロープウェイ」からは、これらのロケ地を含む尾道の絶景を一望できます。
- 尾道観光の際は、駅の観光案内所などでロケ地マップを入手すると効率的に聖地巡礼ができます。
尾道の街角には、今も映画のあの瞬間が息づいています。
あなたもぜひ尾道を訪れて、懐かしくも切ない、あの物語の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。