『すずめの戸締まり』の物語は、ダイジンとの出会いから始まります。
可愛らしい見た目とは裏腹に、その行動は謎に満ちており、観客を惹きつけました。
ここでは、そんなダイジンの核心に迫る声優の正体や、キャラクターの背景を詳しく解説します。
ダイジン役の声優は驚きの新人!山根あんさんの正体とは?
この投稿をInstagramで見る
あの独特で耳に残るダイジンの声。
「きっと有名な子役か、ベテランの声優が演じているのだろう」と思った方も多いのではないでしょうか。
しかし、その正体は、なんと当時8歳の現役小学生・山根あん(やまね あん)さんです。
山根さんは、300人以上が参加したオーディションを経て、この大役を射止めました。
声優としてのキャリアはほとんどなく、まさに彗星の如く現れた新人です。
新海誠監督は、山根さんの声について「感情をそのまま声にできる。
誰も真似できない、奇跡的な才能」と手放しで絶賛しています。
アフレコ現場では、監督が山根さんの感性を最大限に活かすため、演技の指示を細かく出すのではなく、彼女の中から自然に出てくる表現を大切にしたそうです。
ダイジンは、ただ可愛いだけのキャラクターではありません。
物語の序盤では、鈴芽を翻弄するようなミステリアスな雰囲気を漂わせ、中盤では無邪気で子供らしい一面を見せ、そして終盤には、観る者の胸を締め付けるような切ない感情を表現します。
山根さんは、この複雑な感情のグラデーションを、8歳とは思えない表現力で見事に演じきりました。
特に、鈴芽に「すき」と伝える無垢な声と、最後に自らの運命を受け入れる際の悲しみを帯びた声の演じ分けは、多くの観客の涙を誘いました。
映画公開後、SNSでは「ダイジンの声優、天才すぎる」「小学生であの演技は信じられない」といった驚きと称賛の声が相次ぎ、山根あんさんの名前は一躍注目を集めることになりました。
ダイジンはなぜ鈴芽の前に現れたのか?物語の始まりを考察

物語の冒頭、鈴芽は廃墟で不思議な扉と、その傍らに佇む石像を見つけます。
彼女が何気なくその石像…「要石(かなめいし)」を引き抜いてしまったことで、ダイジンは長い眠りから解放されました。
では、ダイジンはなぜ、数いる人間の中から鈴芽の前に現れ、彼女に懐いたのでしょうか。
ダイジンが解放された直後、鈴芽に「すずめ、すき」「うちの子になる?」と問いかけるシーンがあります。
この言葉から、ダイジンが鈴芽に対して特別な好意や親近感を抱いたことがわかります。
その理由は、鈴芽が持つ優しさや、過去の経験から来る「寂しさ」のようなものに、ダイジン自身が共鳴したからかもしれません。
要石として長い間、孤独に災いを鎮めてきたダイジンにとって、自分を解放してくれた鈴芽は、初めて出会った特別な存在だったのでしょう。
また、物語を動かす「トリックスター」としての役割も担っています。
ダイジンが草太に呪いをかけ、椅子の姿に変えてしまったことで、鈴芽は日本各地を巡る壮大な旅に出ることになります。
一見すると意地悪な行動に見えますが、これは結果的に鈴芽を成長させ、彼女が自身の過去と向き合うきっかけを与えることになりました。
ダイジンは、鈴芽を導く案内人であり、彼女に試練を与える存在でもあったのです。
その行動の根源には、常に「鈴芽と一緒にいたい」という純粋で一途な想いがありました。
ダイジンの正体は「要石」!その重要な役割を解説
ダイジンの可愛らしい猫の姿は、あくまでも仮の姿です。
その正体は、日本列島の地下を流れる巨大なエネルギーの奔流「ミミズ」を抑え、地震が起きるのを防ぐ「要石」です。
古来より、日本各地には地震を鎮めるための要石が祀られてきました。
『すずめの戸締まり』の世界では、ダイジンが「東の要石」として、日本の東側を守っていました。
鈴芽がダイジンを解放してしまったことで、抑えが効かなくなったミミズが各地の「後ろ戸」から現れ、災いを引き起こそうとします。
物語は、鈴芽と草太がこのミミズを後ろ戸に封じ込めながら、日本を縦断していくロードムービーの形式をとっています。
では、なぜ要石が人の言葉を話せる猫の姿をしていたのでしょうか。
これには明確な答えはありませんが、人々からの信仰や祈りが長い年月をかけて形を成した存在なのかもしれません。
あるいは、人間とコミュニケーションをとり、自らの役目を引き継いでくれる「閉じ師」を待つために、あの姿と言葉を得たとも考えられます。
その小さな体には、日本の平和を守るという、あまりにも重く、そして孤独な宿命が背負わされていたのです。

彼は物語の『マクガフィン』であり、同時に鈴芽の成長を促す『メンター』でもある。
可愛らしい猫というビジュアルで観客を油断させつつ、その正体は世界の均衡を保つ神性を持つ存在。
このギャップが、物語に予測不能なドライブ感と深みを与えているんだ。

だからこそ、鈴芽に見せる無邪気な表情が、より一層切なく感じられるんですよね。
特に『うちの子になる?』っていうセリフ、あれはダイジンの心からの叫びだったんだなって、後から気づいて胸が苦しくなりました。
ダイジンが「かわいそう」と言われる理由とは?その行動と結末に涙

『すずめの戸締まり』を観た多くの人が、ダイジンに対して「かわいそう」という感情を抱きました。
なぜ、彼はそれほどまでに観客の心を揺さぶったのでしょうか。
その理由は、彼の純粋すぎる行動と、あまりにも切ない結末にあります。
- 鈴芽に好かれたい一心での行動
ダイジンは、要石の役目を草太に押し付け、自由になったかのように見えました。
しかし、彼の行動はすべて「鈴芽に褒めてもらいたい」「鈴芽と一緒にいたい」という子供のような純粋な動機から来ています。
鈴芽が旅の途中で人々から親切にされると、その人々を守るかのようにミミズの出現場所を示唆します。
彼は彼なりに、鈴芽の役に立とうとしていたのです。 - 誤解されてしまう悲しさ
しかし、その真意はなかなか鈴芽に伝わりません。
鈴芽は、草太が要石にされてしまった原因がダイジンにあると思い込み、彼に対して「大嫌い!」と辛く当たってしまいます。
大好きな鈴芽から拒絶され、弱々しく痩せ細っていくダイジンの姿は、観ていて非常に胸が痛むシーンでした。 - 自己犠牲という決断
物語の終盤、巨大化したミミズを鎮めるためには、誰かが再び要石にならなければならないという過酷な現実が突きつけられます。
鈴芽がその役目を引き受けようとした瞬間、ダイジンは自ら「鈴芽の猫にはなれなかった」と呟き、身を挺して再び要石となることを選びます。 - 叶わなかった最後の願い
ダイジンは、ただ鈴芽の猫として、彼女のそばにいたかっただけなのです。
しかし、そのささやかな願いは、世界の運命の前では叶えられることはありませんでした。
「鈴芽の手で、私を還してほしかった」という想いを抱えながら、再び長い眠りにつく彼の決断は、自己犠牲の極みであり、多くの観客の涙を誘いました。
SNS上では、「ダイジンが報われなさすぎて辛い」「ただ好きな子と一緒にいたかっただけなのに…涙が止まらない」「最初はムカついたけど、最後は号泣した」といった感想が溢れ、彼の健気で切ない生き様が、多くの人々の心に深い余韻を残したことがわかります。
もう一体の黒猫!サダイジンの正体とダイジンとの関係は?
それが、ダイジンよりも遥かに大きく、黒い毛並みを持つ「サダイジン」です。
サダイジンは、ダイジンが「東の要石」であるのに対し、「西の要石」として日本の西側を守ってきた存在です。
ダイジン同様に人の言葉を話しますが、その口調は威厳に満ちており、圧倒的な存在感を放っています。
ダイジンとサダイジンの関係は、まるでやんちゃな子供と、それを見守り導く保護者のようです。
サダイジンは、ダイジンが役目を放棄したことを知って現れ、彼を諭し、そして鈴芽たちが進むべき道を示してくれます。
また、物理的にも強大な力を持っており、東京上空で暴れるミミズを抑え込むなど、その神々しい力を見せつけました。
ダイジンが鈴芽の「個人的な感情」に寄り添う存在だとすれば、サダイジンは世界の「大いなる理」を代弁する存在と言えるでしょう。
性格も役割も対照的な二体の要石ですが、どちらもこの国を災いから守りたいという強い意志を共有しており、『すずめの戸締まり』の壮大な世界観を形成する上で欠かせないキャラクターです。
ちなみに、サダイジンの声優は公式にはクレジットされていません。
その重々しく威厳のある声から、様々なベテラン声優の名前が憶測を呼びましたが、真相は謎に包まれています。
『すずめの戸締まり』を彩る豪華声優陣!神木隆之介が演じる芹澤とは?
ダイジン役の山根あんさんを筆頭に、『すずめの戸締まり』は非常に豪華な声優陣が集結したことでも話題となりました。
中でも、新海誠監督作品のファンにとってはお馴染みの俳優・神木隆之介さんの出演は、大きな注目を集めました。
神木隆之介さんが演じたキャラクターは誰?
\🗝HAPPY BIRTHDAY🗝/
本日 7/6 は…
お誕生日おめでとうございます🌹✨ pic.twitter.com/aHmRZcNHrn
— 映画『すずめの戸締まり』公式 (@suzume_tojimari) July 5, 2023
神木さんといえば、新海誠監督の前々作『君の名は。』で主人公・立花瀧役を演じ、記録的な大ヒットに大きく貢献しました。
また、前作『天気の子』にもカメオ出演しており、新海作品には欠かせない存在となっています。
そんな彼が今作で演じた芹澤は、主人公格ではありません。
しかし、物語の重要な局面で登場し、観客に強烈なインパクトを残す、非常においしい役どころでした。
新海監督と神木さんの間にある深い信頼関係がうかがえます。
友人思いのナイスガイ!芹澤朋也の魅力に迫る

芹澤朋也は、草太と同じ大学に通う友人です。
教師を目指しており、見た目は少しチャラそうに見えますが、根は真面目で友達思いの好青年。
彼の最大の魅力は、その人間臭さと常識的な感覚にあります。
物語の終盤、鈴芽と、椅子(草太)と、猫(ダイジン)を乗せて、ボロボロのオープンカーで東京から鈴芽の故郷である東北まで向かうという、冷静に考えればありえない状況に陥ります。
「なんで椅子が喋ってんだよ!?」「この猫は何なんだ!?」と、観客の気持ちを代弁するかのように絶叫し、パニックに陥る彼の姿は、シリアスな展開が続く物語の中での貴重なコメディリリーフとして機能しています。
また、彼の選曲センスも大きな話題となりました。
道中の車内で彼が流すのは、『ルージュの伝言』『SWEET MEMORIES』といった、どこか懐かしい昭和や平成の名曲たち。
この選曲が、旅のロードムービー感を演出し、鈴芽が道中で出会った人々の優しさや温かさを象徴する役割も果たしていました。

最初は怪訝に思いながらも、最終的には鈴芽の覚悟を理解し、彼女を目的地まで送り届ける芹澤。
神木隆之介さんの軽やかで、かつ芯のある自然な演技が、この魅力的なキャラクターに完璧な命を吹き込んでいました。

彼の視点は、完全に我々観客の視点と一致している。
ファンタジーが加速していく物語の中で、彼の常識的なリアクションが、かえって物語の異常性を際立たせ、同時に観客を現実に繋ぎとめるアンカーの役割を果たしている。
懐メロの選曲も、単なるノスタルジーではなく、世代を超えて共有される感情のメタファーとして機能しているのが見事だ。

彼がいたからこそ、終盤の緊張感が少し和らいで、鈴芽も私たちも、ちょっとだけ息ができた気がします。
あのオープンカーでの旅は、映画の中でも特に大好きなシーンです!
関西弁が印象的なキャラクターとその声優は?

『すずめの戸締まり』の旅の途中、鈴芽は様々な人々と出会い、助けられます。
中でも特に印象的なのが、神戸で出会うスナックのママ「二ノ宮ルミ(にのみや るみ)」です。
ヒッチハイクをしていた鈴芽を拾い、双子の子供の面倒を見てもらう代わりに、自宅に泊めてくれるパワフルで情の厚い女性。
彼女の声を担当したのは、女優の伊藤沙莉(いとう さいり)さんです。

伊藤さんといえば、ハスキーで特徴的な声質と、高い演技力で知られていますが、本作ではその魅力を遺憾なく発揮。
流暢で温かみのある関西弁で、肝っ玉母ちゃんであるルミを生き生きと演じています。
母親である環(たまき)叔母さんと喧嘩して家を飛び出してきた鈴芽にとって、ルミと子供たちと過ごした時間は、一時的に「家族の温かさ」を取り戻すための、非常に重要な時間でした。
伊藤沙莉さんの太陽のような明るい演技が、傷ついた鈴芽の心を優しく包み込みました。
主人公・岩戸鈴芽役の原菜乃華さんの演技
本作の主人公、岩戸鈴芽(いわと すずめ)の声を担当したのは、1700人を超えるオーディションの中から選ばれた女優の原菜乃華(はら なのか)さんです。

17歳の少女が抱える喪失感、旅を通しての成長、そして世界を救うという大きな決意。
非常に難しい役どころですが、原さんはその瑞々しい感性と確かな演技力で、鈴芽の感情の揺れ動きを繊細に表現しました。
特に、普段の明るい声と、時折見せる悲しみを湛えた声のコントラストは、鈴芽が抱える複雑な内面を見事に映し出していました。
新海監督が「感情と声がこれ以上ないほどに直結している」と評したその才能は、間違いなく本作の成功の大きな要因の一つです。
閉じ師・宗像草太役の松村北斗さん(SixTONES)の挑戦
鈴芽と共に旅をするもう一人の主人公、閉じ師の青年・宗像草太(むなかた そうた)を演じたのは、人気グループSixTONESのメンバーである松村北斗(まつむら ほくと)さんです。
松村さんにとって、本格的な声優挑戦は本作が初。
プレッシャーも大きかったと思いますが、彼が持つ低く美しい声は、閉じ師という神秘的な存在である草太のキャラクターにぴったりとハマっていました。
さらに、物語の大部分で草太は「子供用の椅子」の姿になってしまいます。
表情も動きも制限される中で、声だけで草太の焦りや優しさ、使命感を表現しなければならないという、非常に難易度の高い演技が求められました。
しかし、松村さんはその難役を見事にこなし、鈴芽を支える誠実な青年像を作り上げました

その他、脇を固めるベテラン声優陣一覧
『すずめの戸締まり』は、主演の二人だけでなく、脇を固めるキャストも非常に豪華です。
日本を代表する俳優や声優が、物語に深みと説得力を与えています。
| 役名 | 声優 | キャラクター概要 |
|---|---|---|
| 岩戸 環(いわと たまき) | 深津絵里 | 鈴芽を育てた叔母。 鈴芽を深く愛するが故に、過保護になってしまう一面も。 |
| 岡部 稔(おかべ みのる) | 染谷将太 | 環が勤める漁協の同僚。 環に想いを寄せているお調子者の青年。 |
| 岩戸 椿芽(いわと つばめ) | 花澤香菜 | 鈴芽の母親。 幼い鈴芽を遺して東日本大震災で亡くなった。 |
| 宗像 羊朗(むなかた ひつじろう) | 松本白鸚 | 草太の祖父で、閉じ師の師匠。 入院中だが、電話越しに重要な助言を与える。 |
『すずめの戸締まり』ダイジン声優と物語の考察まとめ
この記事では、映画『すずめの戸締まり』の謎多きキャラクター・ダイジンの声優から、物語の核心に迫る考察まで、幅広く解説してきました。
最後に、本記事の要点を箇条書きでまとめます。
- ダイジンの声優は、当時8歳の新人・山根あんさんで、その天才的な演技力が新海誠監督に絶賛されました。
- ダイジンの正体は、地震を鎮める「要石」であり、鈴芽と一緒にいたいという純粋な想いから行動していました。
- ダイジンが「かわいそう」と言われるのは、その純粋な想いが報われず、最後は自己犠牲を選んだという切ない結末が多くの観客の涙を誘ったためです。
- もう一体の黒猫「サダイジン」は西の要石であり、ダイジンを導く保護者のような存在です。
- 神木隆之介さんは草太の友人「芹澤朋也」役で、観客の代弁者として物語に笑いと安らぎをもたらしました。
- 伊藤沙莉さん演じる関西弁のルミさんをはじめ、原菜乃華さん、松村北斗さん、深津絵里さんといった豪華声優陣が、壮大な物語を見事に支えています。
『すずめの戸締まり』は、ただの冒険ファンタジーではありません。
ダイジンという存在を通して、愛や自己犠牲、そして抗えない運命といった、普遍的なテーマを私たちに問いかけます。
この記事が、あなたが再び『すずめの戸締まり』の世界に浸る際の一助となれば幸いです。