映画『すずめの戸締まり』は、美しい映像と感動的なストーリーで多くの観客を魅了しました。
しかし、その物語の核心には「地震」という非常に繊細で重要なテーマが存在します。
「作中で地震はどんな順番で発生したの?」
「それぞれの地震にはモデルになった場所や日付がある?」
「ダイジンって結局何者だったの?」
「震災の描写がリアルすぎてトラウマになるって本当?」
本作を観賞した方、あるいはこれから観ようと思っている方の中には、このような疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
特に、物語の進行と密接に絡み合う地震の発生順や、その背景にある実際の震災との関連性は、物語をより深く理解する上で欠かせない要素です。
この記事では、『すずめの戸締まり』における地震の発生順を、すずめの旅のルートに沿って時系列で徹底的に解説します。
さらに、それぞれの場所のモデルや日付に隠された意味、ダイジンの謎、そして賛否両論を呼んだ震災描写や批判の真相、トラウマへの配慮といった、多くの人が気になっているポイントを、一つひとつ丁寧に解き明かしていきます。
この記事を最後まで読めば、『すずめの戸締まり』という作品が「地震」とどう向き合い、何を伝えようとしたのか、その全てが明確になるはずです。
この記事でわかる4つのポイント
- ポイント1:作中で発生する地震の順番と日付を時系列で解説
物語の進行に沿って、九州から東北まで、すずめが戸締まりを行った場所と地震の発生順を地図と共に詳しく解説します。 - ポイント2:各地震のモデルとなった実際の震災との関連性
神戸や東京、そして東北など、作中で描かれる災害が、阪神・淡路大震災や関東大震災、東日本大震災といった現実の出来事とどうリンクしているのかを考察します。 - ポイント3:震災描写に対する評価や批判、トラウマへの配慮
本作のリアルな地震描写がなぜ賛否両論を呼んだのか、その理由と制作側の意図、そして鑑賞時の注意点について掘り下げます。 - ポイント4:ダイジンの役割や地震の予言など、物語の核心に迫る考察
謎多きキャラクター「ダイジン」の正体や、物語が示すメッセージ、そして「予言」との関連性など、より深い物語の考察をお届けします。
『すずめの戸締まり』作中で描かれる地震の順番を時系列で徹底解説

『すずめの戸締まり』の物語は、主人公・岩戸鈴芽(いわと すずめ)が災いの元となる「後ろ戸」を閉じるため、日本列島を南から北へと旅するロードムービーです。
この旅のルートこそが、作中で描かれる「ミミズ」による地震が発生する順番と直結しています。
ここでは、すずめの足取りを追いながら、物語の時系列に沿って地震の順番を詳しく見ていきましょう。
物語の始まり、九州で発生した地震のモデルは?

物語の最初の舞台は、すずめが叔母と暮らす九州の静かな港町です。
具体的な地名は明言されていませんが、風景などから宮崎県日南市周辺がモデルになっていると言われています。
地震の概要
- 場所: 九州・宮崎県のとある町
- 発生の経緯: すずめが通学途中に出会った草太に導かれ、山中の廃墟(モデルは旧油津中学校とされる)で開いていた「後ろ戸」を発見。
草太が戸締まりに失敗し、巨大な「ミミズ」が出現。
町の地下に潜り込み、小規模な地震を引き起こします。 - すずめの行動: 初めての戸締まりを経験。
草太が「要石」であるダイジンを解放してしまったことで、呪いによって椅子に姿を変えられてしまいます。
この九州の地震は、物語のプロローグであり、すずめが「閉じ師」としての宿命に足を踏み入れるきっかけとなります。
ここで発生した地震の規模は比較的小さく、後の大災害を予感させる序章としての役割を担っています。
モデルとなった特定の大きな地震は存在しないと考えられますが、日本が地震大国であることを示す象徴的な出来事として描かれています。
すずめが日常から非日常へと引きずり込まれる、物語の重要な転換点です。
次にすずめが向かった愛媛の地震と廃墟の場所

九州での出来事の後、すずめは逃げ出したダイジンと、椅子になった草太を追いかけてフェリーに乗り込み、四国の愛媛県へと渡ります。
この愛媛の地で、2度目の戸締まりに挑むことになります。
地震の概要
- 場所: 愛媛県・八幡浜市周辺
- 発生の経緯: ダイジンを追うすずめは、同い年の少女・千果と出会い、彼女の案内で山中にある廃墟の遊園地(モデルは特定の施設ではなく、複数の廃墟のイメージ)にたどり着きます。
そこで開いていた観覧車のゴンドラの「後ろ戸」からミミズが出現し、地震を引き起こそうとします。 - すずめの行動: 千果の助けを借りながら、草太と共に2度目の戸締まりに成功します。
この経験を通じて、すずめは自身の持つ「閉じ師」としての力を自覚し始めます。
愛媛で描かれる地震の危機は、九州の時よりもミミズの活動が活発化しており、事態が深刻化していることを示唆しています。
千果との出会いや交流は、過酷な旅の中での一筋の光となり、すずめの心を支える重要な要素となりました。
個人的にも、この愛媛でのエピソードは、ロードムービーとしての楽しさと、戸締まりの緊迫感のバランスが絶妙で、大好きなパートの一つです。
神戸で開かれた後ろ戸と地震の関連性
愛媛を後にしたすずめ一行は、ヒッチハイクで出会ったスナックのママ・ルミさんの車に乗り、兵庫県の神戸市へとたどり着きます。
この神戸で、すずめは過去の大災害の記憶と向き合うことになります。
地震の概要
- 場所: 兵庫県・神戸市
- 発生の経緯: ルミの子供たちの世話をしながら過ごすすずめは、ダイジンに導かれて寂れたドライブイン(モデルは神戸市垂水区にあったとされる施設)にたどり着きます。
その中にある旧駅のホームの扉が「後ろ戸」となっており、そこからミミズが出現します。 - すずめの行動: 3度目の戸締まりに挑みます。
この場所は、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の被災地であり、戸締まりの際に人々の悲しみや喪失の記憶が流れ込んできます。
すずめは、その記憶を受け止めながら、力強く戸を閉じるのでした。
神戸のシーンは、フィクションの物語の中に、初めて現実の具体的な大震災の記憶が明確に重ね合わされる重要な場面です。
単なるファンタジーではなく、私たちが生きる現実の痛みの上に物語が成り立っていることを強く意識させられます。
この戸締まりを通じて、すずめは「後ろ戸」が人々の想いが強く残る場所に現れることを深く理解していきます。

ここでは、単にミミズを封じ込めるだけでなく、その土地に眠る『人々の記憶』を悼むという、戸締まりの本質的な意味が描かれている。
阪神・淡路大震災という具体的な出来事を背景にすることで、物語に一層の重みと現実感を与えているんだ。

日常のすぐ隣に、忘れられない悲しみがあることを突き付けられて、胸が締め付けられました。
でも、だからこそ、すずめが戸を閉じる姿に『忘れないよ』という強い祈りを感じるんです。
物語のクライマックス、東京で発生した巨大地震の描写

神戸での戸締まりを終え、すずめは草太の実家がある東京へと向かいます。
しかし、そこで彼女たちを待ち受けていたのは、これまでとは比較にならないほどの巨大な災いでした。
地震の概要
- 場所: 東京都心
- 発生の経緯: 草太のアパートで彼の祖父から「要石」の秘密を聞かされます。
その直後、東京の上空に巨大なミミズが出現。
このミミズは、関東大震災を引き起こしたエネルギーの源であり、再び首都直下型の大地震を発生させようとします。 - すずめの行動: 草太と共にミミズを止めようとしますが、その圧倒的な力の前に絶体絶命の危機に陥ります。
そして草太は、すずめを救うため、自らが「要石」となってミミズを封じ込めるという、あまりにも辛い決断を下すのでした。
東京での攻防は、物語のクライマックスの一つです。
ここで描かれるミミズのビジュアルは、まさに天災そのものの恐ろしさを体現しており、観る者に強烈なインパクトを与えます。
モデルとなっているのは、1923年9月1日に発生した関東大震災です。
100年以上前の大災害が、今なおこの国の地下で眠る脅威であることが示唆され、防災への意識を新たにさせられます。
草太の自己犠牲という衝撃的な展開は、すずめに「自分の手で未来を選ぶ」という強い決意を促し、物語は最終章である東北へと向かっていきます。
日付に隠された意味とは?
作中の時系列まとめ
『すずめの戸締まり』の物語は、非常に具体的な日付と共に進行していきます。
この時系列を整理することで、すずめの旅の軌跡がより鮮明になります。
| 日付(2023年) | 出来事 | 場所 |
|---|---|---|
| 9月25日 (月) | 草太と出会い、最初の戸締まりを行う。 | 九州(宮崎) |
| 9月26日 (火) | フェリーで愛媛へ。 千果と出会う。 |
九州 → 愛媛 |
| 9月27日 (水) | 廃遊園地で2度目の戸締まりを行う。 | 愛媛 |
| 9月28日 (木) | ヒッチハイクで神戸へ。 ルミと出会う。 |
愛媛 → 神戸 |
| 9月29日 (金) | 廃ドライブインで3度目の戸締まりを行う。 | 神戸 |
| 9月30日 (土) | 新幹線で東京へ。 草太のアパートを訪れる。 |
神戸 → 東京 |
| 10月1日 (日) | 東京上空に巨大ミミズが出現。 草太が要石になる。 |
東京 |
このように、物語はわずか1週間ほどの出来事であることがわかります。
この短い期間に、すずめがどれだけ濃密で過酷な経験をしたかが伝わってきます。
特に注目すべきは、東京での大災害が9月30日から10月1日にかけて発生している点です。
これは、モデルとなった関東大震災の発生日である9月1日とは異なりますが、制作上の物語のテンポや構成を優先した結果と考えられます。
重要なのは特定の日付そのものよりも、過去の災害の記憶が現代の私たちと地続きであるというメッセージ性でしょう。
劇中で流れる緊急地震速報の意図と演出
本作を語る上で欠かせないのが、劇中で何度も流れる「緊急地震速報」のリアルな警報音です。
この音は、多くの日本人にとって、実際の地震の恐怖を瞬時に想起させるトリガーとなり得ます。
映画館という安全な空間でこの音を聞くという体験は、非常にショッキングなものであり、一部の観客にとってはトラウマを刺激する可能性も指摘されました。
制作陣は、この演出が観客に与える影響を十分に理解した上で、あえて使用することを決断したと言われています。
その意図は、以下の2つに集約されるでしょう。
- 圧倒的なリアリティの追求: 物語が描いている「地震」が、決してファンタジーの世界の出来事ではなく、私たちの日常をいつでも破壊しうる現実の脅威であることを観客に体感させるため。
- 物語への没入感の向上: 警報音によって、観客はスクリーンの中の出来事を他人事ではなく、自分自身の問題として捉えるようになります。
すずめや草太が感じている緊張感や恐怖を、五感で共有させる効果があります。
新海誠監督は、この映画を通じて「震災をエンターテインメントとして消費する」のではなく、「震災と向き合い、悼み、そして乗り越えていく物語」を描こうとしました。
その覚悟の表れが、この緊急地震速報の演出に込められているのです。
もちろん、この演出が辛いと感じる方もいるため、鑑賞の際には心の準備が必要かもしれません。
『すずめの戸締まり』における地震の深層と現実世界とのリンク
『すずめの戸締まり』は、単なる災害パニック映画ではありません。
地震という現象を通して、日本人が抱える喪失の記憶や、それでも未来へ向かって生きていくことの尊さを描いた物語です。
ここでは、作品の深層に流れるテーマや、現実世界との関わりについて、さらに深く掘り下げていきましょう。
なぜ震災のシーンがリアルに描かれたのか?
本作のクライマックスであり、物語全体の根幹をなすのが、すずめの故郷である東北で描かれるシーンです。
ここは、2011年3月11日に発生した東日本大震災の被災地であり、すずめが幼い頃に母親を亡くした場所でもあります。
すずめは、要石になってしまった草太を救うため、そして自身の過去と向き合うために、この地を再び訪れます。
そこで彼女が見るのは、震災発生当時の津波の光景や、一面に広がる瓦礫の海といった、あまりにも生々しい記憶のフラッシュバックです。
なぜ新海誠監督は、これほどまでにリアルに、そして直接的に東日本大震災を描いたのでしょうか。
監督のインタビューなどから、その理由を読み解くことができます。
- 風化させないという意志: 震災から10年以上が経過し、人々の記憶が少しずつ薄れていく中で、この出来事を決して風化させてはならないという強い意志がありました。
特に、震災を知らない世代に向けて、その記憶を物語の形で継承する必要性を感じていたのです。 - 場所を悼む物語: 監督は、災害によって多くの人々が「行ってきます」を言えなかった場所を悼む物語を描きたいと語っています。
後ろ戸を閉じるという行為は、失われた日常への追悼であり、残された人々が前を向くための儀式でもあるのです。 - 当事者のための物語: この映画は、被災した当事者が見るかもしれないということを強く意識して作られています。
だからこそ、安易な希望や教訓を描くのではなく、ただひたすらに、失われた命と日常に寄り添い、悼むことに徹しています。
このリアルな描写は、観る者に大きな痛みをもたらすかもしれません。
しかし、その痛みを経てこそ、すずめが叫ぶ「行ってきます」という言葉の重みと、未来への希望が、より一層胸に響くのです。
ダイジンの役割と地震を止める存在の謎
物語の中で、可愛らしくもミステリアスな存在感を放つのが、白猫の「ダイジン」です。
彼の言動はすずめを振り回し、一見すると災いを引き起こすトリックスターのように見えます。
しかし、物語が進むにつれて、ダイジンの真の役割が明らかになっていきます。
ダイジンの正体と役割
- 要石(かなめいし): ダイジンの正体は、日本列島の地下で暴れる巨大なミミズ(地震のエネルギー)を抑えるための「要石」でした。
草太が誤って封印を解いてしまったことで、自由の身となります。 - すずめを導く存在: ダイジンが草太を椅子に変え、各地を逃げ回ったのは、すずめを「次の要石」としてではなく、「自分の代わりに戸締まりをしてくれる人間」として各地の後ろ戸へ導くためだったと考えられます。
- すずめへの愛情: 当初は「すずめの子になる」と言い、自由を謳歌していたダイジン。
しかし、すずめが草太を想う気持ちの強さを知り、最終的には自らの意思で再び要石に戻ることを選びます。
「すずめの手で還りたかった」というセリフは、短い間だったけれど、すずめと一緒にいられたことへの感謝と愛情が込められており、涙なしには見られないシーンです。
ダイジンは、地震を司る荒ぶる神の側面と、人間に寄り添う愛らしい存在という二面性を持っています。
彼は地震そのものを止める力はありませんが、地震を止めることができる人間(閉じ師)を導き、最終的には自己犠牲によって世界を救う、非常に重要なキャラクターなのです。
震災描写に対する批判的な意見とその背景
『すずめの戸締まり』は国内外で非常に高い評価を受けましたが、その一方で、特に国内ではリアルな震災描写に対して、いくつかの批判的な意見が寄せられたことも事実です。
どのような批判があったのか、その背景と共に見ていきましょう。
主な批判的な意見
- 「トラウマを刺激する」: 緊急地震速報の音や、津波のリアルな描写が、実際の被災体験を持つ人々のPTSD(心的外傷後ストレス障害)を誘発するのではないかという懸念。
- 「エンタメとして消費している」: 3.11という未だ多くの人が苦しんでいる現実の悲劇を、商業映画の題材として扱うこと自体が不謹慎ではないかという意見。
- 「ご都合主義的な展開」: 最終的にハッピーエンドで終わる物語が、現実の被災者の癒しになっていない、あるいは現実の厳しさを軽視しているように見えるという指摘。
これらの批判は、いずれも震災というテーマがいかに重く、繊細なものであるかを示しています。
特に、実際に被災された方や、そのご家族、ご友人にとっては、フィクションであっても当時の記憶を追体験することは計り知れない苦痛を伴う可能性があります。
制作側もこうした反応は予期しており、批判を受ける覚悟の上で作品を世に送り出しました。
新海誠監督自身も、「賛否が分かれることはわかっていた」と語っています。
重要なのは、これらの批判的な意見を無視するのではなく、なぜそう感じる人がいるのかを理解し、多様な受け止め方が存在することを認識することです。
この映画は、私たち観客一人ひとりに対して、「あなたにとって震災とは何か」を問いかけてくる、ある種の”踏み絵”のような作品なのかもしれません。
地震のトラウマに配慮した上映形態について
制作側は、前述のような批判や観客のトラウマに配慮するため、いくつかの対策を講じています。
- 冒頭での注意喚起: 映画の上映前には、「本作には、地震や津波に関する描写、および緊急地震速報の警報音が流れるシーンが含まれております」といった内容のテロップが表示されました。
これにより、観客は事前に心の準備をすることができます。 - 公式サイトでの告知: 公式サイトやSNSでも、同様の注意喚起が事前に行われました。
- メディアでの監督の発言: 新海誠監督は、インタビューなどの場で、なぜリアルな描写が必要だったのかという意図を丁寧に説明し続けました。
これにより、作品への理解を深め、誤解を解く努力がなされました。
これらの配慮は、すべての観客の不安を解消するものではないかもしれません。
しかし、作り手が観客の心情に寄り添おうとする姿勢を示すことは、非常に重要です。
これから本作を鑑賞する方は、こうした描写が含まれていることを念頭に置き、ご自身の体調や心の状態と相談しながら鑑賞することをお勧めします。
これは予言?
作品が示す未来へのメッセージとは
『すずめの戸締まり』が公開された後、一部で「南海トラフ地震を予言しているのではないか」といった憶測が流れました。
これは、物語が九州から始まり、愛媛、神戸と、南海トラフ地震の想定震源域に近いルートを辿ることから生まれた都市伝説のようなものです。
しかし、これはあくまで予言ではありません。
新海誠監督が描きたかったのは、特定の災害を予言することではなく、「私たちは、いつどこで発生するかわからない災害と常に隣り合わせで生きている」という普遍的な事実です。
日本に住む以上、地震や津波のリスクから逃れることはできません。
本作は、そうした現実をファンタジーの力を借りて描き出すことで、私たちに防災への意識や、日常の尊さを再認識させてくれます。
もし本作に「予言」的なメッセージがあるとすれば、それは「災いは忘れた頃にやってくる」という警鐘であり、「それでも私たちは生きていかなければならない」という未来への祈りでしょう。
すずめが過去の悲しみを乗り越え、「行ってきます」と力強く宣言して日常に帰っていくラストシーンは、災害と共に生きる私たち全員へのエールなのです。
各地の地震のモデルとなった場所を巡る聖地巡礼
『すずめの戸締まり』は、その美しい風景描写から、モデルとなった場所を訪れる「聖地巡礼」も盛んに行われています。
ここでは、物語の順番に沿って、主な舞台のモデル地をまとめました。
| 物語の舞台 | モデルとなった場所(推定) | 関連する災害 |
|---|---|---|
| 九州 | 宮崎県日南市(油津港、旧油津中学校など) | – |
| 愛媛 | 愛媛県八幡浜市(八幡浜港など) | – |
| 神戸 | 兵庫県神戸市(神戸市街、明石海峡大橋など) | 阪神・淡路大震災 |
| 東京 | 東京都千代田区(御茶ノ水駅聖橋口、お茶の水サンクレールなど) | 関東大震災 |
| 東北 | 岩手県上閉伊郡大槌町(旧役場庁舎周辺など) | 東日本大震災 |
これらの場所を訪れる際は、単にアニメの舞台として楽しむだけでなく、その土地が持つ歴史や、災害の記憶にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
特に、神戸や東北の被災地を訪れる際には、そこに暮らす人々への配慮を忘れず、静かに祈りを捧げる気持ちを持つことが大切です。
物語を追体験することで、作品への理解がさらに深まるはずです。

だが『すずめの戸締まり』に関しては、単なる観光気分で訪れるべきではない場所も含まれている。
作り手が作品に込めた『悼む』というテーマを理解し、敬意を持ってその土地を訪れることが、ファンとしてのあるべき姿だろう。

そして、それぞれの場所で、物語に登場した人々の暮らしや想いを感じてみたい。
きっと、映画を観ただけではわからなかった、新しい発見があると思うんです。
『すずめの戸締まり』地震の順番と物語の核心まとめ
最後に、この記事で解説してきた『すずめの戸締まり』における地震の順番と、物語の核心についての要点をまとめます。
- 地震の順番はすずめの旅のルートに沿っている:物語は九州(宮崎)から始まり、愛媛、神戸、東京、そして最終的に東北へと、日本列島を北上する順番で進行します。
- 各地の地震は現実の震災とリンクしている:特に神戸では阪神・淡路大震災、東京では関東大震災、そして東北では東日本大震災という、日本の災害史における重要な出来事が物語の背景となっています。
- 日付は短期間に集中している:物語の主な出来事は、2023年9月25日から10月1日までの約1週間で描かれており、緊迫した展開を際立たせています。
- リアルな震災描写には明確な意図がある:緊急地震速報や津波の描写は、震災を風化させず、その記憶を継承するという制作陣の強い意志の表れです。
- 震災描写への批判と配慮:リアルな描写はトラウマを刺激するとの批判もありましたが、制作側は注意喚起のテロップなどで観客に配慮しています。
- ダイジンは導き手であり自己犠牲の象徴:謎の猫ダイジンは、すずめを導き、最終的には自らが要石となることで世界を救う重要な役割を担っています。
- 物語は予言ではなく未来への祈り:本作は特定の災害を予言するものではなく、災害と共に生きる私たちへの警鐘と、未来への希望を描いた物語です。
『すずめの戸締まり』は、地震という重いテーマを扱いながらも、エンターテインメントとして非常に完成度の高い作品です。
この記事を通して、作品の背景にある様々な要素を知ることで、あなたの『すずめの戸締まり』体験が、より深く、意味のあるものになれば幸いです。