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【徹底解説】君の名は。 の湖は諏訪湖ではない?本当のモデルと聖地巡礼の完全ガイド

社会現象を巻き起こした新海誠監督の傑作アニメーション映画『君の名は。』。
その物語の中心には、美しくもどこか切ない風景が広がる「糸守湖」が存在します。
彗星が落下する運命を背負ったこの湖の情景は、多くの観客の心に深く刻み込まれました。

そして、映画公開直後からファンの間で熱心に語られてきたのが、「あの糸守湖のモデルは、長野県にある諏訪湖ではないか?」という説です。
実際に、諏訪湖を見下ろす高台からの景色は、劇中のシーンと驚くほど似ており、今や国内外から多くのファンが訪れる「聖地」となっています。

しかし、この広く信じられている説は、本当に真実なのでしょうか?
実は、監督自身の言葉を紐解くと、そこにはもっと奥深い、ファンも知らない創作の秘密が隠されているのです。

この記事では、「君の名は 諏訪湖ではない」という説の真相に迫ります。
新海誠監督が本当に抱いていた初期イメージから、制作チームが参考にした風景、そして物語の公式な舞台設定まで、あらゆる情報を網羅的に徹底解説。
さらに、長野、岐阜、東京に点在する『君の名は。
』の聖地を巡るための完全ガイドをお届けします。
この記事を読めば、あなたも『君の名は。
』の世界を、より深く、そして新たな視点で楽しめるようになるはずです。

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この記事のポイント4つ

  • 糸守湖の真実: 糸守湖のモデルは諏訪湖だけではありません。
    複数の実在の場所を巧みに組み合わせた、架空の風景です。
  • 監督の初期構想: 新海誠監督が最初にイメージしていたのは、自身の故郷・長野県にある「松原湖」でした。
  • 物語の公式舞台: 物語の公式な舞台は岐阜県の飛騨地方ですが、作品の根幹をなすビジュアルやテーマは長野県から大きな影響を受けています。
  • 聖地巡礼のすすめ: 岐阜、長野、東京の聖地を巡ることで、映画を彩った現実の風景とその魅力を体感できます。
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君の名は。の湖が諏訪湖ではないと言われる真相とは?

君の名は参照

多くのファンが信じて疑わない「糸守湖=諏訪湖」説。
しかし、その真相はもっと複雑で、クリエイターたちの創作の妙が詰まった、興味深いものなのです。
ここでは、監督や制作スタッフの証言を元に、あの美しい湖がどのようにして生み出されたのか、その核心に迫ります。

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新海誠監督が語った「糸守湖」の本当の初期イメージ

多くの人が驚くかもしれませんが、『君の名は。』の象徴である糸守湖の「最初のイメージ」は、諏訪湖ではありませんでした。
この事実は、新海誠監督自身がX(旧Twitter)で明確に語っています。

長野県公式観光サイトより

ちなみに糸守湖の最初期のイメージは、僕にとっては小海高原美術館近くの松原湖や大月湖でした。
とはいえ架空の場所なので、スタッフ毎に源泉は異なるだろうけど。

この発言に登場する「松原湖」と「大月湖」は、長野県南佐久郡小海町にある湖です。
そしてこの小海町こそ、新海誠監督が生まれ育った故郷なのです。

長野県公式観光サイトより
長野県公式観光サイトより

つまり、壮大な物語の原点にあったのは、日本有数の観光地である諏訪湖ではなく、監督自身の個人的な記憶や原風景に根差した、より身近でノスタルジックな場所だったのです。
地元のニュース番組のインタビューでは、「小さい頃から慣れ親しんだ松原湖が最初に頭に浮かんだが、コンパクトなのでもっと大きくしようと思った」という趣旨の発言もされています。

この事実は、新海監督の創作スタイルを象徴しています。
観客の誰もが共感できる普遍的な物語を描きながらも、その根底には常に監督自身のパーソナルな体験や感情が息づいているのです。
糸守湖の原点が、監督の故郷にある小さな湖だったという事実は、作品の持つ温かみや切なさの源泉を垣間見せてくれます。

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美術監督が明かす「諏訪湖」を参考にした制作の裏側

諏訪市観光ガイド参照

ではなぜ、監督の初期イメージが松原湖だったにもかかわらず、多くの人が諏訪湖をモデルだと感じるのでしょうか?
その答えは、アニメーション制作の現場にあります。

『君の名は。』で美術監督を務めた丹治匠氏は、インタビューの中で糸守町の風景を描くにあたり、「諏訪湖をはじめ、湖のある街の風景などを参考にした」と明言しています。

アニメーション映画は、監督一人で作るものではありません。
脚本家、キャラクターデザイナー、美術監督、そして多くのスタッフがそれぞれの専門知識や感性を持ち寄り、一つの世界を創り上げていきます。
新海監督が「スタッフ毎に源泉は異なるだろう」と語ったように、監督が提示した「故郷の湖」という初期イメージを元に、美術チームがより映像的で、壮大なスケール感を持つ風景へと昇華させていったのです。

その過程で、湖の周囲に街が広がり、山々に囲まれたダイナミックな景観を持つ諏訪湖が、最高のビジュアルリファレンス(視覚的な参考資料)となったのは自然な流れでした。
特に、後述する立石公園からの眺めは、映画のキービジュアルとも言える構図を提供しており、制作チームが諏訪湖の風景を強く意識していたことは間違いありません。

つまり、「監督の初期イメージは松原湖」であり、「美術チームが参考にしたのは諏訪湖」というのが、ファンを少し混乱させている真相なのです。

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結論:糸守湖は実在しない!複数の絶景を組み合わせた架空の湖

君の名は。のモデルになった湖はどこですか?
特定のモデルは存在せず、新海誠監督の故郷の「松原湖」を初期イメージとし、美術チームが「諏訪湖」などを参考にしながら創り上げた架空の湖です。

ここまで見てきたように、この問いに対する最も正確な答えは、「特定のモデルは存在しない、複数の場所を組み合わせた架空の湖です」となります。

糸守湖は、まさにクリエイターたちの手によって生み出された奇跡の風景なのです。

  • 原風景としての「松原湖」: 新海監督の個人的な記憶とノスタルジーが込められた、物語の魂ともいえる場所。
  • ビジュアルモデルとしての「諏訪湖」: 湖と街が織りなす壮大な景観や、物語の重要なシーンの構図を提供した場所。
  • 地形モデルとしての「倶多楽湖(北海道)」など: 隕石の落下によってできたという設定から、美しい円形のカルデラ湖である北海道の倶多楽湖なども、その形状の参考になったのではないかという説もあります。

このように、様々な場所の「良いところ」を繋ぎ合わせ、一つの魅力的な風景として結実させたのが糸守湖なのです。
この制作プロセスそのものが、映画の重要なテーマである「ムスビ(結び)」――糸を繋げること、人を繋げること、時間が流れること――を体現しているかのようです。
バラバラの要素を結びつけ、新たな価値を生み出す。
糸守湖の成り立ちを知ることは、作品のテーマをより深く理解する鍵となるでしょう。

なぜ「君の名は。の湖=諏訪湖」説が広まったのか?

結論として糸守湖は架空の場所であるにもかかわらず、なぜこれほどまでに「諏訪湖モデル説」が広く、そして強く信じられるようになったのでしょうか。
その最大の理由は、長野県諏訪市にある「立石公園」から見下ろす諏訪湖の風景が、劇中のイメージとあまりにも酷似しているからです。

特に、瀧と三葉が時空を超えて出会う最も重要なシーン、「カタワレ時(黄昏時)」の描写は、立石公園から見た夕暮れの諏訪湖の光景そのものだと言っても過言ではありません。
太陽が沈み、空が茜色と深い青のグラデーションに染まる中、湖を取り囲む街に一つ、また一つと灯りがともり始める…。
あの幻想的でエモーショナルな風景は、実際に立石公園で体験することができます。
この感動的なシンクロニシティが、訪れたファンの口コミやSNS投稿によって爆発的に拡散され、「糸守湖=諏訪湖」という認識を不動のものにしたのです。

銀馬 匠
その感覚は批評において重要だ。
あの場所からの視覚的忠実度は、美術チームの卓越した仕事の証だからね。
しかし、作品を構造的に分析する上では、その視覚的参照元と、監督の初期構想、そして物語の公式設定である岐阜という舞台を区別して考える必要がある。
それぞれが作品の中で異なる役割を果たしているんだ。
巻本 栞
でも、誰もが諏訪湖だって信じる気持ち、すごく分かります。
立石公園に立って、あの景色を目の前にした時、本当に鳥肌が立ったんです。
『ここだ…』って。
理屈じゃなくて、心がそう感じてしまう。
その感動が、何よりの真実なのかもしれませんね。

君の名は。の聖地!諏訪湖ではないとされるモデル地を徹底比較

『君の名は。』の世界は、糸守湖だけでなく、東京の喧騒から飛騨の静かな山里まで、数多くの実在の風景からインスピレーションを得て描かれています。
ここでは、物語を彩った重要な「聖地」を、長野・岐阜・東京の3つのエリアに分けて徹底的に解説します。
聖地巡礼を計画している方は、ぜひ参考にしてください。

聖地巡礼クイックガイド

まずは、特に重要な聖地を一覧表にまとめました。
各スポットの詳細は、この後のセクションでじっくり解説していきます。

聖地スポット 場所 映画での役割 ワンポイント・アドバイス
立石公園 長野県諏訪市 糸守湖を見下ろす象徴的な風景 「カタワレ時」の夕暮れは必見。
息をのむ美しさです。
諏訪大社 長野県諏訪地域 宮水神社の神話的・構造的背景 4つの社を巡り、物語の深層に流れるテーマを感じてみてください。
飛騨古川駅 岐阜県飛騨市 瀧が三葉を探しに訪れた駅 9:57発の電車が劇中シーンの再現チャンス!
飛騨市図書館 岐阜県飛騨市 瀧たちが糸守町の真相を知る場所 受付で許可を得れば館内撮影が可能。
マナーは守りましょう。
日枝神社 岐阜県高山市 宮水神社の有力なモデルの一つ 深い森に続く石段の雰囲気がそっくり。
神聖な空気が漂います。
須賀神社 東京都新宿区 ラストシーンで二人が再会する階段 住宅街にあるので、訪問者の邪魔にならないよう静かに見学しましょう。

【長野・諏訪エリア】最も糸守湖の面影を感じる聖地巡礼の最重要スポット

物語の公式な舞台は岐阜県飛騨地方ですが、作品のビジュアルと魂に最も大きな影響を与えたのは、新海監督の故郷でもある長野県です。
特に諏訪エリアには、ファンならずとも訪れたい絶景スポットが点在しています。

立石公園と高ボッチ高原:二つの絶景展望スポット

糸守湖の風景を体感したいなら、まず訪れるべきは「立石公園」です。
JR上諏訪駅から車で約15分、徒歩でも30分ほどの高台にあり、諏訪湖と市街地を一望できる絶好のロケーションを誇ります。
昼間の青く輝く湖面、夕暮れの「カタワレ時」、そして宝石を散りばめたような夜景と、時間帯によって全く異なる表情を見せてくれるのが魅力です。
多くのファンが、この場所からカメラを構え、映画のワンシーンを再現しています。

もう一つ、さらにダイナミックな眺望を求めるなら「高ボッチ高原」もおすすめです。
標高1,665mの高原からは、諏訪湖はもちろん、天気が良ければ富士山や南アルプス、北アルプスまで見渡せる360度の大パノラマが広がります。
この場所は、宮水神社のご神体がある山頂から見下ろした風景のイメージに近いと言われており、より雄大な自然を感じたい方にはぴったりです。
ただし、アクセスは冬季閉鎖などもある細い山道となるため、事前に道路情報を確認し、運転には十分注意が必要です。

諏訪大社:宮水神社のルーツを探る

宮水神社の神秘的な雰囲気や、作中で語られる信仰の背景には、諏訪湖周辺に鎮座する「諏訪大社」が深く関わっていると考えられます。
諏訪大社は、全国に約1万社ある諏訪神社の総本社で、日本最古の神社の一つとされています。

注目すべきは、その独特の構造と神話です。
諏訪大社は諏訪湖を挟んで「上社」と「下社」に分かれ、さらにそれぞれが「本宮」「前宮」(上社)、「春宮」「秋宮」(下社)の計4つの境内地を持つ「四社まいり」という形式をとっています。

そして、宮水神社との最大の共通点として挙げられるのが、上社本宮には「本殿」と呼ばれる建物がないことです。
代わりに、背後にある御山(守屋山)そのものをご神体として祀っています
これは、自然そのものを信仰の対象とする、日本の古い信仰の形を今に伝えています。
宮水神社のご神体が、山頂の巨岩(磐座)であった設定と通じるものがあります。

また、冬に諏訪湖が全面結氷した際、氷が山脈のように盛り上がる「御神渡り(おみわたり)」という現象は、上社の男神(タケミナカタノカミ)が下社の女神(ヤサカトメノカミ)のもとへ通った恋の道筋だと伝えられています。
時空を超えて互いを求める瀧と三葉の物語は、この壮大な神話とどこか重なって見えませんか?
諏訪大社を巡ることは、単なる聖地巡礼を超え、『君の名は。
』の物語の深層に流れる日本の自然観や信仰に触れる旅となるでしょう。

【岐阜・飛騨エリア】物語の公式舞台となった場所を巡る

『君の名は。』の物語の公式設定では、三葉が暮らす糸守町は「岐阜県の飛騨地方にある架空の町」とされています。
そのため、飛騨地方、特に飛騨市や高山市には、劇中の日常風景のモデルとなった場所が数多く存在します。

飛騨古川駅と飛騨市図書館:物語が大きく動いた場所

聖地巡礼の起点となるのが、JR高山本線の「飛騨古川駅」です。
ここは、瀧が三葉を探して初めて飛騨の地に降り立った、まさに物語の始まりの場所。
駅のホームや跨線橋、駅前のタクシー乗り場など、劇中で描かれた風景がそのままの姿で迎えてくれます。
特に、駅構内にいる飛騨牛のキャラクター「ひだくろちゃん」は、ファンにとって見逃せない撮影スポットです。

飛騨古川駅から徒歩約5分の場所にある「飛騨市図書館」も、非常に重要な聖地です。
瀧たちが、彗星落下によって糸守町が消滅したという衝撃の事実を知るのがこの図書館。
物語の謎が解き明かされ、瀧が三葉を救う決意を固める、まさにターニングポイントとなるシーンの舞台です。
館内は、受付で許可を得れば、他の利用者の迷惑にならない範囲で写真撮影が可能です。
静かな空間で、登場人物たちの心情に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

気多若宮神社と飛騨の味:町の空気感を満喫

瀧たちが糸守町の情報を求めて聞き込みをするシーンで登場するのが、「気多若宮神社」です。
飛騨古川の町を見下ろす山の中腹にあり、鳥居へと続く階段や境内の雰囲気が、劇中のイメージと重なります。

また、聖地巡礼の楽しみの一つが、現地のグルメです。
劇中で瀧の友人・司と奥寺先輩が食べていた「五平餅」は、飛騨地方の郷土料理。
モデルとなったとされる「味処古川」や「岡田屋」で、実際に味わうことができます。
香ばしい味噌の香りが食欲をそそる五平餅を片手に、飛騨の古い町並みを散策すれば、まるで映画の世界に入り込んだかのような気分を味わえるでしょう。

【東京・新宿/四ツ谷エリア】瀧と三葉の軌跡を辿る都会の聖地

物語のもう一人の主人公・瀧が暮らす東京にも、数多くの聖地が点在しています。
糸守町ののどかな風景とは対照的な、都会の喧騒の中に、二人の運命を繋ぐ重要な場所が隠されています。

須賀神社:感動のラストシーンを飾った運命の階段

須賀神社公式より

東京の聖地巡礼で、絶対に外せないのが新宿区にある「須賀神社」です。
物語のラスト、大人になった瀧と三葉が互いの名前を問いかけ、ついに再会を果たす。
あの感動的なシーンの舞台となったのが、この神社の境内へと続く、赤い手すりが印象的な石段です。
キービジュアルにも使用されたこの場所は、世界中のファンにとって特別な意味を持つ聖地中の聖地と言えるでしょう。

須賀神社は閑静な住宅街の中にありますので、訪問の際は地域住民の方々の迷惑にならないよう、静かに見学し、写真撮影を行うのがマナーです。
最寄り駅は東京メトロ丸ノ内線の四谷三丁目駅で、徒歩約7分ほどです。

瀧の日常を巡る:信濃町、六本木、新宿御苑

瀧の日常や、三葉との入れ替わり生活を追体験できるスポットも都内に点在しています。

一行院 千日谷会堂より:
信濃町駅前歩道橋
  • 信濃町駅前の歩道橋: 瀧と奥寺先輩がデートの別れ際に話したり、東京に来た三葉が瀧に電話をかけようとしたり、何度も登場する印象的な場所です。
  • 国立新美術館(六本木): 瀧が奥寺先輩とデートで訪れた美術館。
    二人がお茶をしていた円錐形の建物の上にあるカフェ「サロン・ド・テ ロンド」も実在します。
  • カフェ ラ・ボエム 新宿御苑: 瀧がアルバイトをしていたイタリアンレストランのモデルとなったお店です。
    おしゃれな雰囲気で、実際に食事を楽しむことができます。

これらのスポットを巡ることで、瀧が過ごした東京での日々をリアルに感じることができるでしょう。

宮水神社のモデルは一つじゃない?複数の神社を徹底比較

糸守町の中心であり、三葉の生活の核でもあった「宮水神社」。
この神社もまた、一つの特定のモデルがあるわけではなく、複数の神社の要素を「ムスビ」合わせて創作された架空の神社です。

日枝神社参照
  • 日枝神社(岐阜県高山市): 宮水神社の全体的な雰囲気、特に深い森の中に続く石段の鳥居のイメージは、高山市にあるこの日枝神社が有力なモデルとされています。
    荘厳で神秘的な空気が、宮水神社のイメージにぴったりです。
  • 手長神社(長野県諏訪市): 三葉と四葉が巫女として舞を奉納し、口噛み酒を作る儀式を行った「神楽殿」。
    この舞台のモデルは、諏訪市にある手長神社の神楽殿に似ていると言われています。
  • 気多若宮神社(岐阜県飛騨市): 鳥居の前に置かれた石灯籠など、細部のデザインは、前述の気多若宮神社が参考にされているという説もあります。

このように、物語の公式舞台である岐阜(日枝神社、気多若宮神社)と、監督の精神的な故郷であり、作品のテーマに深く関わる長野(手長神社)の要素が組み合わさっているのです。
宮水神社の成り立ちそのものが、岐阜と長野、そして瀧と三葉という二つの世界を結びつける、象徴的な存在と言えるかもしれません。

ご神体があった山のモデルはどこ?有力候補地を解説

物語のクライマックス、瀧が三葉の口噛み酒を飲み、再び入れ替わりを果たす重要な場所が、宮水神社のご神体が祀られた山頂のカルデラです。
「あそこから先はカクリヨ(隠り世)、あの世のことや」と祖母の一葉が語ったように、この世とあの世の境界線として描かれた神秘的な場所。
このご神体のモデルについても、いくつかの有力な候補地が挙げられています。

八島ビジターセンター参照:八島湿原
  • 八島ヶ原湿原(長野県): 諏訪湖からビーナスラインを登った先にある、標高約1,630mの高層湿原。
    霧が立ち込める幻想的な雰囲気や、太古からの自然が残る景観が、ご神体のある湿地帯のイメージと重なると言われています。
  • 青ヶ島(東京都): 伊豆諸島にある、世界でも珍しい二重式カルデラを持つ火山島。
    その独特で美しいクレーターの地形が、ご神体のカルデラのビジュアルモデルになったのではないかという説が有力です。
  • 御嶽山(長野県・岐阜県): 岐阜県と長野県の県境に位置する御嶽山。
    その山頂付近にあるカルデラ(一ノ池)や、登山道の風景が、劇中の描写に似ているという指摘もあります。

これらの候補地に共通しているのは、いずれも火山活動によって形成され、圧倒的な自然の力を感じさせる場所であるという点です。
制作陣は、こうした場所に宿る神秘性や、古くからの山岳信仰のイメージを参考に、あの世との境界線であるご神体の風景を創り上げたのでしょう。

これで完璧!日帰りから泊りがけまで聖地巡礼モデルコースプラン

ここまで紹介してきた聖地を効率よく巡るためのモデルコースを、滞在日数や目的に合わせていくつか提案します。
旅行計画の参考にしてください。

【日帰り】岐阜・飛騨集中コース(主に徒歩と公共交通機関)


物語の公式舞台である飛騨地方の聖地を1日で巡るコースです。
飛騨古川駅周辺に見どころが集中しているため、車がなくても楽しめます。

  1. 午前: JR飛騨古川駅に到着。
    駅構内や跨線橋、駅前のタクシー乗り場を見学・撮影。
  2. : 飛騨古川の古い町並みを散策。
    「味処古川」または「岡田屋」で五平餅のランチ。
  3. 午後: 徒歩で「飛騨市図書館」へ。
    館内を見学後、「気多若宮神社」まで足を延ばしてお参り。
  4. 夕方: 飛騨古川駅に戻り、帰路へ。

【日帰り】長野・諏訪満喫コース(車での移動がおすすめ)

君の名は参照

糸守湖のイメージを最も色濃く感じられる諏訪エリアを巡るコース。
ハイライトである夕景に合わせてスケジュールを組むのがポイントです。

  1. 午前: 諏訪大社 上社本宮・前宮を参拝。
    本殿のない独特の様式や、ご神体である山を感じる。
  2. : 諏訪湖畔でランチ。
  3. 午後: 諏訪大社 下社春宮・秋宮を参拝。
    四社まいりを達成。
  4. 夕方: 日没の時間に合わせて「立石公園」へ移動。
    感動的な「カタワре時」の絶景を堪能。
  5. : 諏訪の温泉で疲れを癒すか、夜景を楽しんだ後に帰路へ。

【半日】東京・都会の軌跡コース(徒歩と電車)


瀧と三葉の東京での足跡を辿る、半日あれば十分に楽しめるウォーキングコースです。

  1. スタート: JR四ツ谷駅。
    瀧と奥寺先輩の待ち合わせ場所を確認。
  2. 徒歩10分: 「須賀神社」へ。
    ラストシーンの階段で記念撮影。
  3. 電車で移動(四谷三丁目駅→新宿御苑前駅): 瀧のバイト先のモデル「カフェ ラ・ボエム 新宿御苑」で休憩またはランチ。
  4. 電車で移動(新宿御苑前駅→信濃町駅): 「信濃町駅前の歩道橋」へ。
  5. ゴール: JR新宿駅。
    三葉が感動した南口の風景を眺める。

【2泊3日】究極の完全制覇コース(新幹線・特急・レンタカー利用)

東京、長野、岐阜の主要な聖地をすべて巡る、熱心なファンのための究極のコースです。

  • 1日目(東京): 上記の「東京・都会の軌跡コース」を巡り、新宿に宿泊。
  • 2日目(長野): 午前中に新宿から特急あずさで上諏訪駅へ。
    レンタカーを借りて「長野・諏訪満喫コース」を巡り、諏訪または松本に宿泊。
  • 3日目(岐阜): 午前中に松本から特急しなので名古屋へ、特急ひだに乗り換えて飛騨古川駅へ。
    駅周辺の聖地を巡り、夕方の特急で名古屋経由、新幹線で帰路へ。

まとめ:「君の名は 諏訪湖ではない」説の結論と聖地巡礼のポイント

記事で使った内容をまとめます。
大ヒット映画『君の名は。』を巡る、糸守湖のモデル論争と聖地の数々。
その真相と魅力を深く掘り下げてきました。
最後に、この記事の要点を改めて整理します。

  • 湖の本当の姿: 物語の象徴である糸守湖は、特定の湖をモデルにしたものではなく、新海誠監督の原風景である「松原湖」を初期イメージとし、制作過程で「諏訪湖」の壮大な景観などを参考にして創られた、複数の実在風景が結びついた架空の湖です。
  • 二つの県の物語: 物語の公式な舞台は岐阜県飛騨地方ですが、そのビジュアルや根底に流れるテーマは、監督の故郷である長野県から多大なインスピレーションを受けています。
  • 岐阜巡礼の要: 岐阜での聖地巡礼は、物語の再現度が非常に高い「飛騨古川駅」と、物語の転換点となった「飛騨市図書館」が中心となります。
  • 長野巡礼の要: 長野では、糸守湖のイメージを最も強く体感できる「立石公園」からの夕景と、物語の神話的背景を考察できる「諏訪大社」の探訪が欠かせません。
  • 東京巡礼の要: 東京の聖地巡礼は、何と言ってもラストシーンの感動が蘇る「須賀神社」の階段が最も重要なスポットです。
  • 作品を貫くテーマ: 映画の舞台設定そのものが、様々な場所や要素を繋ぎ合わせる「ムスビ」というテーマを見事に体現しています。
    聖地巡礼は、このテーマを現実世界で追体験する旅でもあるのです。

参考サイト

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